8月、9月のその他の日程は暦通りの診療となります。
どうぞよろしくお願いいたします。
最新情報
みんなで乗り切りましょう!
新型コロナは気温、湿度が高い夏になっても人が動くと一向に下火にならず、このまま秋冬になるとどうなるのか心配ではあります。
わずかな救いは今の東京、埼玉型といわれるウィルスの毒性が欧州型と比べてやや弱そうなことでしょうか。
集団免疫を付ける方法を取らないならば、かからないように注意するしかありません。
鶴見大学の花田教授らは重症化の原因の一つとして口腔内細菌(悪玉菌)の相乗効果について述べています。
完全な裏付けに乏しい面もあるのですが、真実ならば歯科での定期検診でクリーニングして細菌の量を減らすことは不要不急の処置とは言えないということになります。
誤嚥性肺炎予防だけではなく、インフルエンザ、新型コロナウィルスでも同じことが言えるのです。(かかりにくく、かかっても重症化を防ぐ可能性がある)
花田教授は虫歯、歯周病の治療での方法として3DS療法の提唱者でもあります。
基本的にはマウスピースに薬剤を塗布して口腔内悪玉菌の除菌を図る治療法です。
ただ、3DSのやり方についてはいくつかの変法があります。
いずれにしても歯周病の状態の把握が必要で、それには歯周病菌のPCR法による細菌検査が必要です(コロナのPCR検査とは全く別物です)。
悪玉菌がそれほどいないようであれば花田先生の元々のやり方でよいのですが、いわゆる悪玉のPG菌などが検出された場合は3DSでも迅速に根絶して効果を出すことは困難です。(基本的に花田先生は3DSを治療後もずっと家庭で続けることを前提とされています。その場合は除菌が成立する可能性はあります。)
悪玉菌がある程度いる場合は花田先生の同門の武内先生の3DS療法のほうが、より効果的と考えています。
抗菌薬の内服と、マウスピースに使用する薬剤も異なります。
現在当院でお薦めしているのは歯周内科的療法で、これは途中まで武内先生と変わりません。
歯周病菌をPCR検査で同定して、効果的な抗菌薬をしばらく服用していただき、それとともに口腔内の徹底的な清浄化をいろいろなツールを用いて行います(抗菌薬の内服はピロリ菌の除菌と同じ論理ですが、口腔内の特殊性から内服だけで除菌は成立しにくいため)。
これらをだいたい数回の来院で行いますが、自費診療となりなかでもPCR検査は術前と術後の確認に必須です。
通常は歯周内科的治療である程度の効果は見込めるので、一応当院では現在は3DS療法というより歯周内科的治療で行っております。
ただし、喫煙者であるとか、その他様々な条件が絡んでくると、必ず除菌が成立するわけでは残念ながらありません。
また、歯周病はある意味で「水虫」と似たようなものと考えていただくとイメージしやすいかもしれません。
ケースによっては再感染しやすいのです。
例えばご家族からですとか。
いずれにしても清潔さが健康の維持には必要です。みんなで乗り切りましょう。
6月・7月の診療スケジュール
6月・7月は暦通り診察いたします。
どうぞよろしくお願いいたします。
※日曜、祝日は休診となっております。
高齢者の「フレイル」という言葉ご存知ですか?
今、みんなの気持ちに暗い影を落としている新型コロナウイルス。少しずつ自粛解除
の動きとなってきていますが、まだまだ油断できません。リスクが高いとされている
ため、家に閉じこもっている高齢者も多いと聞きます。
周囲の方とのつながりが減り、一日中TVを見ていたり、動かないのでお腹も空かず、
食事を抜いてしまったり…。そんな生活が続くと次第に身体の動きが低下し、心のバ
ランスが崩れ、今までできていた散歩や活動がおっくうになったり、疲れやすくなっ
たりします。
これをフレイル(虚弱)といいます。フレイルが進むと、感染症なども重症化しやす
い傾向があります。
実は、お口の健康は身体全体の「フレイル」に大きく影響を与えます。お口のフレイ
ルを「オーラルフレイル」といいます。
食は元気の源です。外出がしにくい今だからこそ、意識的に体を動かし、3食しっか
り食べるようにしたいものです。おしゃべりをしてお口の筋肉を動かすことも立派な
フレイル対策です。直接会いに行けなくても電話をしたりして、積極的にかかわって
助け合いましょう。
オーラルフレイルから誤嚥になりやすくなります。誤嚥による細菌性の肺炎がコロナ
感染に相乗すると、症状悪化につながる可能性が言われています。
当院ではオーラルフレイルの予兆が認められる人には予防のための体操などを指導するようにしております。みんなで乗り越えましょう。
ようやく!
北海道も緊急事態宣言が解除されました。
まだ予断を許さないでしょうが、いい加減疲れてきますね。自分も2月末から酒席、スポーツクラブ、ヨガ教室、ゴルフ練習場、サウナ等々すべて自粛中です。たぶん解除されてもしばらくは自粛は続けると思います。本当に先の見えない我慢大会状態です。なんとかいい方向に進んでほしいです!
診療においては、気を配っているのは待合室も含めて頻繁な消毒液による拭き取
り、換気、次亜塩素酸水の加湿器使用等。
とくに待合室で患者さんが密な状況にならないように、予約も制限し時間を極力守るよう心掛けています。診療前後の洗口水でのうがいとアルコールでの手消毒も必ずお願いしています。
スタッフ側の対策として、DIYで受付カウンターにアクリルの仕切り板でセパレートし、マスク、防護キャップ、ゴーグル、フェイスシールド等も不足ないように準備して、今までにも増して感染防御にできるだけの配慮をしております。
3月の診療スケジュール
3月21日土曜日は休診です。
どうぞよろしくお願いいたします。
早く落ち着いてほしいコロナ
北海道は雪まつり開催の影響もあったのか、コロナ感染者増加がなかなか沈静化しません。
マスクやアルコール除菌液などは一般の方ももちろん入手に苦労されておられますが、医療機関においてもマスクとアルコール製剤は新規にはかなり手に入れにくい状況です。
聞くところによると、マスク、グローブ、他にもエプロンなどいろいろな製品に中国が関係しているので、完全に通常化するにはなお時間がかかるかもしれないとのこと。
普段から院内の清掃や滅菌などにはスタンダードプリコーションとして気を配っておりましたが、感染防止のためより一層気を付けようとスタッフともども思っております。(当院は以前から高い水準であるクラスBの滅菌器等で処理しています)
・定期的な換気を徹底する。
・ウィルスに有効な次亜塩素酸水を加湿器に使用して待合室に噴霧。
等です。
患者様におかれましては以下のことをお願いしております。
・医院に入ってきた時と清算前にアルコール製剤による手の消毒をしていただきます。
・熱、咳等風邪様や呼吸器の症状がある方の診療は時節柄申し訳ありませんが控えさせていただいております。
・37.5度以上の熱が続く方や発症前14日以内に感染が疑われる地域、場所にいた方等はまずは保健所または医科等にご相談ください。
本当に早く少し平穏な生活に戻りたいものです。
最近行った講習会について
このコースは昨年受講したのですが、床矯正装置などの実習がある2日目のみ再受講しました。
自分は興味を持った講習を再受講することがよくあります。MFAなども2回ずつ受講しています。
1度では把握しきれなかったことに気ついたりします。とはいえ本州開催がほとんどなのでなかなか大変です。
それが・・・今年の上半期は以後の予定をコロナのためにすべてキャンセルすることとしました・・・。
3月はMFAの新しいコースに2回、その後も毎月最低1回の本州での講習会参加予定が7月まで決まっていたのですが、コロナには勝てません。
とくに3月は他にも月末の法事に加えて、19日から22日まで歯学部の同期10数人でお伊勢参り(大々神楽、御垣内参拝)や熊野古道散策、ゴルフなどを予定していたのですが、それも中止になりました。
この予定のために19日の午後と21日土曜日を休みにしたのですが、、19日午後は診療することにしたのですが、21日はスタッフが悲しそうな顔するので(休みと思っていたから)、やっぱり診療すると言えず休みとしました。とはいえ、道知事が「19日まではいろいろ自粛してね」と要請している折でもあり、休んでもあまりすることがありませんが・・。
私自身はサウナ―(サウナ愛好家)で普段はよく行くのですが、スポーツクラブ、ヨガ教室、ゴルフ練習場と共に2月中旬から自粛中です。これらのどこにも行けないとなるとフラストレーションがそこそこ溜まります。やむをえず、今週から自宅ヨガと筋トレを始めることにしました。
ヌルヌル、それともツルツル?
ご自分の歯を舌で舐めてみてください。ヌルヌルした感じがありませんか?
これは、歯についた「バイオフィルム」です。
このバイオフィルムは排水溝などにつくヌメリと同じもので正体は細菌の集合体です。その表面は内側の細菌を守るバリヤーとなり、このバリヤーの中でむし歯菌や歯周病菌などが増殖し、お口の中の環境が悪化していきます。
しかし、バイオフィルムは普段の歯磨きで除去できるものではなく、また、殺菌剤や抗生剤なども一部にしか効かないため、歯科で機械的な除去(PMTC)を行うのが効果的なのです。
PMTCでバイオフィルムの除去を行うとむし歯や歯周病の予防になるだけではなく、お口の中がサッパリし、歯もツルツル、口臭も軽減されて良いことづくめです。
バイオフィルムは3~4カ月ほどのサイクルで出来るといわれます。お口の環境を守るために定期的に受けることが好ましいといわれています。
バイオフィルムやステイン(茶シブなどの着色汚れ)除去には、通常の超音波スケーラーや回転器具のほかに、エアフロー(アミノ酸の粉を圧搾空気で歯面に吹き付ける器具)や次亜塩素酸水を利用した超音波クリーニングなどの方法で、より確実にバイオフィルム除去ができると考えられており、当院で行っています。
最近行った講習会について~20200126~
再考! 「咬合のエビデンスの今とその臨床応用」 古谷野潔 先生(九州大教授)
熟考! 「臨床における 咬合論の理想と現実」 野谷健治千世(元・北大准教授)
最近の講習会で嚙み合わせに的を絞ったものはほとんどありません。小谷野先生は過去の文献を丁寧に拾い上げて嚙み合わせに関する考え方の変遷について説明されました。
野谷先生は私が北大在局時の師匠筋にあたる方で非常にお世話になり、かつ影響を受けた先生です。いまも豊富な知識と経験で症例を交えて説明してくれました。
北海道大学大学院歯学研究科口腔機能学講座同門会講演会(札幌)
渡邉裕先生(北海道大学大学院歯学研究科高齢者歯科学教室准教授)
私の所属していた講座の同門会の新年会で行った講演会です。日本の医療福祉政策は方針が変わりつつあります。健康寿命を延ばすことを目的に、フレイル(身体の衰え)対策に主眼が置かれるようになってきています。要介護状態を減らして目指すは「ピンピンコロリ」。
フレイルは全身的なことではなく口周りにも当然生じ、それをオーラルフレイルと呼びます。じつは全身的なフレイルよりオーラルフレイルが先行しているというデータが出てきている、ということを述べられていました。口の老化から身体の老化が始まる、ということです!
フレイルは高齢者のみに起こる事象ではなく、最近では若年者からその兆候が現れているとも述べられていました。私が参加しているMFA、先日聴講したVキッズなどでも、乳幼児期からの育て方(歯科的な部分では哺乳法、食事等々)で骨格、歯並び等さまざまな変化が起こりうるとしています。いまさらながら歯科治療において「機能」を考える必要があると思いました。自分のブログでも近いうちにbaby led weaning 等についても書こうかなと思っています。