3月3日MFA講習会 第2回(東京)
成長期に好ましい生活習慣を送ることによって、心身ともに健やかに育ちます。とくに食習慣は大事で、前歯で歯ごたえのあるものをよく噛むことで上顎の成長が促され、きれいな歯並びが出来ていくと考えられています。講習会では理想的な顔の骨格の1例として広瀬すずさんを挙げていました。あのような鼻筋になるには前歯で噛む刺激で鼻の付け根付近に力が加わって成長促進すると推測していました。食事の他にも幼児期の成長で必要な考え方を保育業界の立場から講演があり、参考になりました。
歯原性菌血症について
口の中は体の中で一番多種多様な細菌が多く存在するところです。その中には体にとって無害なものもいれば、害をなすものもいます。ざっくり言うと、虫歯や歯周病に関係する菌は悪玉菌であり、ばい菌全体における悪玉菌の割合が大きいと病変(虫歯、歯周病)が起こります。じつは問題はそれだけ(口の中の病変)ではないのです。
お口の中に悪玉菌が多いと、歯周ポケット(歯ぐきの内側)内の歯肉はただれていき、出血しやすくなります。また歯周病菌は鉄分、血清タンパクなどの血液成分を餌にしてさらに増殖し、毒素を出します。歯原性菌血症とは、ただれた歯ぐきの毛細血管から細菌や毒素が血液中に侵入して、全身をめぐる現象です。歯周病は歯を支える歯ぐきが悪くなる病気で、どんどん進行すると骨が溶け、グラグラして歯を失うわけですが、歯原性菌血症として捉えるとグラグラまで進行しなくても、全身に悪影響を与える可能性があるのです。
上下すべての歯がそろっている人が、もしすべての歯茎に炎症があってただれて出血する場合、そのただれた潰瘍部の面積は全部で片手の手のひら位の大きさがある計算になります。体の他の部にそのような潰瘍があるとえらいことです。大きな床ずれのような状態でしょうか。口の中ではそこに直接ばい菌がべったり!!付いているわけです。もし床ずれの部分にばい菌がべっとりついていたら、どうなることでしょう。さらに感染は進んでいきます。口の粘膜は他の部分より強く、ある意味鈍感なので痛みが出ることは少ないのですが(熱いもの食べて火傷して皮めくれてもすぐ治りますよね)、こうして考えると怖いことですね。痛みがなくても菌は血中に入ると心臓を経由していろいろなところに運ばれて行きます。
ばい菌を飲み込んだ場合は、胃酸である程度殺菌され、腸や肝臓でさらに殺菌、解毒されるのですが、口の血管から入るとそのシステムから外れるので問題なのです。いまではいろいろな病気と関わり合いがあると考えられています。(心血管疾患、脳血管疾患、糖尿病、慢性腎疾患、アルツハイマー病、掌底膿疱症、バージャー病、誤嚥性肺炎、未熟児,早産、骨粗しょう症、慢性関節リウマチ等々)
歯を磨くと血が出る、口臭がする、などの症状のある方は、歯原性菌血症が起きている可能性が少なからずあるのです。基本的な歯周病の検査で炎症の有無は判明します。より詳細に検査するには口の細菌のDNA検査をすると確実です。