2023年 6月 の投稿一覧

歯周病の原因菌は全身に影響します

元町駅前の歯医者、なかきた歯科クリニックのブログページです。

6月も下旬になり札幌も夏に入ってきた感じです。8月いっぱいくらいまでそれなりに暑い日が来そうです。

ようやく気兼ねなくビアガーデンに行ける。去年も一回行きましたがマスクをしながらでした。もちろんそれなりに感染防御の意識は保つように心掛けます。

歯周病の症状と聞いて、みなさんはどんなことを思い浮かべますか?
一般的なのは歯肉からの出血、歯が抜ける、歯がヌルヌルする、口臭…等ではないでしょうか。

このようなお口の中のトラブルが思い浮かぶ方がほとんどだと思いますが、実は歯周病は体全体の病気やトラブルにも深く関係していることが分かっています。

以下はその一例です。

心筋梗塞・動脈硬化・心内膜炎・糖尿病・誤嚥性肺炎・認知症・関節リウマチ・消化器系のがん・早産

低体重児出産・肥満 等

歯周病の原因は歯垢の中に含まれる細菌ですが、その菌が歯肉から体の中に入り込もうしてできるのが歯周ポケットです。

その際に炎症が起こり、出血するのですね。しかも出血部で赤血球の鉄分を好んで増殖する悪玉菌もいます。

そしてその炎症によってできる毒性の物質が出血箇所から血管に入り込み、全身に回り、さまざまな場所でトラブルを引き起こしていきます

もちろん歯周病菌だけが原因ではなく、生活習慣や要注意因子がもともとあることもありますが、歯周病菌との相互作用で悪化のサイクルを形成していることが分かってきています。

簡単に例を挙げてみます。

【例 糖尿病】

①糖尿病のため高血糖になり、免疫が低下する→②口腔内の細菌が増え(歯周病が悪化)、細菌から出る毒素が増える→③毒素が血管から入り、インスリンの効果を阻害する→①に戻る

毎日の歯磨きでは歯周病菌の温床である歯石や細菌の膜であるバイオフィルムなどは除去することはできず、歯科での専門的なケアが必要となります。

成人の約8割は歯周病だと言われます。

むし歯などの症状がなくても定期的に歯科にお越しいただき、根本的な歯周病治療を受けてくださいね

7月の医院からのお知らせ

札幌市東区の歯医者、なかきた歯科クリニックからのお知らせページです。

7月・8月の休診日について

 7月 1日(土)、5日(水)、15日(土)、19日(水)、29日(土)

8月 2日(水)、盆休み11日(金)~16日(水)、26日(土)、30日(水)

他 日、祝日です。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

 

歯磨きのストローク大きすぎませんか?

元町駅前の歯医者、なかきた歯科クリニックのブログページです。

歯周病や虫歯のリスクを下げるには歯垢を取る必要がありますが、歯垢とは単なる食べかすではなく落ちにくいバイオフィルム(例えば台所の流しのヌルヌル)の状態になっています。

そして落としにくいのは歯と歯の間や歯茎との境目の凹みの部分です。

とくに歯と歯の間は大きなストロークで歯ブラシを動かしていては絶対に磨けません。

歯医者に来られる方の歯磨きを見させていただくと、ブラシに加える力が強く、かつ磨き幅が大きい方がけっこうおられます。

大きめの圧で横に数センチの往復運動で磨くと強すぎて歯茎が下がったり、歯の根元が削れてくる場合があります。

歯がしみて虫歯では、とさらに頑張って磨きすぎると状況が悪化する可能性もあります。

歯間ブラシを効果的に使用する方法もありますが、当院ではつまようじ法というハミガキ法を歯の間のブラシングとしてお勧めしています。

毎日のセルフケアと定期的なプロケアの両輪でお口の健康を維持しましょう。

補綴学会

元町駅前の歯医者、なかきた歯科クリニックのブログページです。

この度日本歯科専門医機構において「補綴歯科専門医制度」が正式に認定されました。

とくに何かが変わるわけではありませんが、自分も補綴専門医・指導医を新しい専門医制度において更新申請し、認定されました。

というようなこともあり久々に補綴学会に参加してきました(補綴学会では東北・北海道支部の代議員をしております)。

 

補綴学会は横浜パシフィコで開催されました。すぐ近くに山下公園やランドマークタワーがあるロケーションですが、会場とホテルに行っただけでした。

最近はWEBでの会議や講演会に参加することが多く、ライブは久しぶりでしたがやはり実地はそれなりに集中できていいなと改めて感じました。

7月は根管治療の講習会で東京に行く予定があります。ようやく元の生活に戻ってきました。

舌苔がつきやすいお口とケアについて

東区元町駅前の歯医者、なかきた歯科クリニックです。今回は舌苔とメタボリックドミノについて少しお伝えします。

札幌もいい季節に入ってきたのを実感します。ほどほどに暑い夏になってほしいものです。

 

 鏡で舌を見てみると白っぽい苔のようなものがついていて、気になったことはありませんか?

これは「舌苔(ぜったい)というものです。

これは、食べカスや舌からはがれた皮、細菌などが舌のデコボコに入り込んで付着しているものです。通常だと唾液の洗浄力などで気にならない程度になっているものですが、以下のような方は注意が必要です。

 

・唾液が少ない

・舌の力が弱い

・口呼吸をしている

・咀嚼回数が少ない

・口を動かすことが少ない  等

 舌苔は多少ついているくらいが正常ですが、多くなってくると口臭、食べづらさ、話しづらさを感じたり、味覚障害、舌炎などの症状が現れます

また、抗生剤を服用していると黒いものがつくことがありますが、これは「黒毛舌(こくもうぜつ)」といい、抗生剤の服用をやめれば自然に治ることがほとんどです。

  舌苔のなかには細菌が多く存在していて、これは特に高齢者の誤嚥性肺炎のリスクを高めます。高齢者は舌苔の蓄積が起きやすいので、日頃から舌苔をためないよう注意し、必要な舌のケアを行うようにしましょう。

 舌のケアは歯ブラシ(できれば舌ケア用のブラシ)で奥から手前になでるように優しく行いましょう。正常な舌は全体がきれいなピンク、もしくは少し暗いピンクでしっとりやわらかく、中心にうっすら白い苔がついています。 

苔を全部とらなくては…とゴシゴシこするのは絶対にやめましょう!やりすぎはかえって舌を痛め、逆効果です。 

でもやっぱり舌苔が気になる、たくさんついてしまっている…など、気になるようでしたら、まずは歯科でご相談ください。適切なケアの方法をお伝えします!