詰め物が外れてしまう理由と注意点

元町駅前のなかきた歯科クリニックのブログページです。

みなさんこんにちは。オリンピックを間近に控えようやく盛り上がってきたようですね。野球は日ハムがAクラスでいけるか、サッカーではコンサドーレ札幌はこのままではちょっと・・なんとか頑張ってほしいものです。

それにしても最近は札幌でも暑い日々が続くなあ、と感じていましたが昨日ダイレクトボンディングの講習会のため午後から東京に行きました。やはり本州の暑さは別物でした。

そして屋内の冷房とのギャップ!外から入った直後は涼しくていいのですがだんだんと寒さを感じます。元々扇風機やエアコンからくる風がそう得意ではないので長袖を持って行ってよかったです。

熱中症予防のためには適切な温度管理はせざるを得ませんが、水分摂取等皆さんも体調管理にはお気を付けください。

ところでむし歯で治療した詰め物やかぶせ物が取れてしまう、ということがあります。どんな理由で外れてしまうのでしょうか。

  • 二次むし歯

一度治療をすればもうむし歯にならない、ということはなく、歯と詰め物の間のわずかなすき間からむし歯になることがあります。これを二次むし歯といいます。二次むし歯になり、すき間が大きくなっていくと詰め物が外れやすくなります。

  • 接着剤の経年劣化

詰め物を接着する際に使用するセメント材は時間の経過とともに劣化していき、劣化とともに詰め物が外れやすくなります。

特に保険診療で使用するセメント材は製品によっては劣化しやすい傾向があります。例えば接着剤の「糊しろ」が最初100として、いきなり0になって外れるというよりは、経年劣化でセメントが縁から溶けたり崩壊していって70とかになったときに力を受けて外れる、という感じでしょうか。

100-70の30の分は隙間になってそこに虫歯菌が入ると詰め物の内部で虫歯が広がっていくのです。

  • 噛み癖・歯ぎしり・食いしばり

一定の場所に強い力が加わるような状態にあると、詰め物が欠けたり割れたりしてはずれてしまうことがあります。

同じ場所でばかり噛まないようにする、就寝時はマウスピースを使用する、日中は上下の歯を離すよう意識する、などを心がけます。歯茎や顎への悪影響もありますので、早めに改善するようにしましょう。

なかには自分の噛みしめ癖に気づいていない方がかなり多くいるようです。噛みしめ、食いしばりという言葉から強くギューと噛むことを連想するかもしれませんが、例えばスマホやPCなど触っているときに気付かない程度に軽くかみあわせるような状態でも歯や顎に悪影響が出る可能性が十分にあります。

  • 嚙み合わせの変化

むし歯治療から時間が経過するにつれ、嚙み合わせも変化します。詰め物は治療した時の噛み合わせに合わせて作られているので、合わなくなった詰め物は外れやすくなります。

【詰め物が外れてしまったら…】

  • 取れた詰め物は保存する

再利用できる場合があります(常にできるわけではありません)ので、壊れないように保存して歯科にお持ちください。

  • なるべく早く歯科を受診する

歯は外側が一番硬く強い構造ですがそれでも酸性(虫歯菌の出す酸や酸性の飲食物や胃酸)状況で崩壊していきます。詰め物が外れた歯は細菌に対して非常に弱い状態で、むし歯になるリスクが高くなっています。痛みや食事への影響がないと感じても、早めに歯科で処置を受けてください。

  • 詰め物が外れた歯を使わないようにする

外れたままだと嚙む力の加わる方向によっては歯が欠けたり割れたりする危険があります。

いつも以上にしっかり歯磨きなども行いましょう。とはいえあまり長い間象牙質がむき出しのままはお勧めしません。

まれにご自身で詰めなおしてしまう方がいますが、詰め物が外れた歯は、お口の中の細菌で侵されていますので、しっかり処置をしないまま塞いでしまうと、すぐに詰め物の下でむし歯になってしまいます

また、市販の瞬間接着剤でつけることは絶対にしないでください! 

再度詰め物をする前には、適切な治療を行う必要があります。必ず歯科での治療を受けるようにしてくださいね。