冬はすぐそこまでやってきました。そろそろタイヤ交換の時期ですね。これから湿度が夏場よりも下がるので、インフルエンザも気を付けないといけないし、コロナ対策は引き続き必要です。
さて、みなさんは歯科にはどのような時に行きますか?
「歯が痛い時」
「歯肉が腫れた・出血した」
「つめものやかぶせものが取れてしまった」
など、何か困ったことが起きてから行く場所だと思っていませんか?
日本歯科医師会が公表している全国の15~79歳の男女1万人を対象に行ったインターネット調査【歯科医療に関する生活者調査】の結果によると、歯科治療経験者の63%はかかりつけ歯科医がいると答えながらも、定期的に歯科受診をしている人はわずか31%でした。
「これまでの人生を振り返ってもっと早く健診や治療をうけておけば良かったと思っている」のは75.7%という結果も出ています。
また、【日本・アメリカ・スウェーデン 3カ国のオーラルケア意識調査Vol.1】によると、歯の健診目的での 直近1年間の受診回数について、次のような結果が出ています。
・直近1年間の受診回数について「1回~2回」という回答
日本30.4%、アメリカ55.4%、スウェーデン65.5%
・「受けていない」という回答
それぞれ57.5%、35.1%、32.4%
アメリカやスウェーデンでは多くの人が痛くなる前、何か不都合が起きる前に歯科に行くことがわかりますが、それに比べ日本ではその「予防」の意識が低いといえます。
もちろん日本でもここ数年で予防に対する意識は向上していると言われています。
まだお口の中が健康な頃から定期健診を受けておくのとそうでないのは、歳を重ねてからの残存歯数や歯肉の健康に大きな差がでます。それはまた、健康寿命や、おいしく食事をとる、会話を楽しむ…という「毎日をどのように過ごすことができるか」ということにも大きく影響するのです。
日々忙しく過ごしていらっしゃるとは思いますが、「未来の自分へのプレゼント」のためにぜひ時間をとって定期健診を受けてください。
というのも、以下のようなことが報告されてきているのです。
★歯周病菌が認知症の原因に?
日本人の成人、約8割がかかるとされる「歯周病」。怖いのは、歯を失う原因になるだけでなく、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、誤嚥性肺炎、早産・低体重児出産など、様々な病気の発症と深く関わっていることです。
そして、歯周病菌が認知症の7割を占めるアルツハイマー病の原因菌の一つと考えられています。
アルツハイマー病は「Aβ(アミロイドベータ)」などの異常なたんぱく質が長年、少しずつ脳に蓄積することで発症し、症状が進行するとされています。そして、歯周病の原因菌やその毒素が歯ぐきの血管から体内に入ることで、このAβが体内でつくられ脳に蓄積することが分かりました。
九州大学や北京理工大(中国)などの研究チームが、マウスの腹の内部に3週間、歯周病菌を直接投与して感染させたうえで正常なマウスと比較しところ、歯周病菌に感染したマウスの脳血管の表面では、Aβを脳内に運ぶ「受容体」と呼ばれるたんぱく質の数が約2倍に増えており、脳細胞へのAβの蓄積量も10倍に増えていました。
認知症の治療方法は未だに確立されていませんが、正しい歯磨きと、歯科医院での定期検診で認知症の予防効果が期待できます。