最新情報

適切なフッ素使用でむし歯予防を

秋風が気持ちいい、過ごしやすい季節になりました。

外で元気に遊ぶ子どもたちの笑顔にも白い歯が光ります。

北海道の秋は本州よりも短く感じます。

秋の先には冬がすぐそこに控えています。(当たり前ですね、笑)

子どもの歯は大人に比べてむし歯になりやすいものです。

主な理由として

・乳歯や生えたての歯は大人に比べて歯質が弱い

・歯列がでこぼこして整っておらず、歯が磨きにくい

(特に永久歯で奥に生えてくる6歳臼歯は要注意です!)

などの他に、幼児は歯を磨くのを嫌がったり、学童期になると親の仕上げ磨きがなくなり、歯磨きが不十分になったりすることも要因になっているかと思います。

子どものむし歯予防で一番に思い浮かぶのは「フッ素塗布」という方が多いのではないでしょうか。フッ素塗布には歯のエナメル質強化、歯を溶かす酸に対する抵抗力アップ、溶け出した成分を戻す再石灰化を促す作用などがあります。

最近は市販されている歯磨き剤のほとんどにフッ素が配合されています。

市販の歯磨き剤にはフッ素濃度100ppmほどのものから1,500ppmまで幅がありますが、年齢によって適切な濃度は異なりますので、ご注意ください。

歯科医院での定期検診とフッ素塗布、ご家庭での適切なケアの併用でお子さまの歯の健康を守りましょう。ある程度大きなお子さんでも、しっかり歯磨きができているかたまにはチェックしてあげてください。ただし、一番大切なことは普段の食生活(ダラダラ食べ、飲みをしない、甘いものの摂り過ぎ、飲み物で流し込まずによく噛んで食べるなど)なんです。

そして、フッ素は子供だけではなく、大人の虫歯予防にも非常に有効なことが調査ではっきりしています。大人の方も(そこそこ)正しい食生活とフッ素歯磨きでのセルフケアと、歯科医院での定期的なプロケアで、虫歯と歯周病の予防、管理がかなり可能です。歯医者を上手に利用してください

スポーツドリンクって体に本当にいいの?

札幌でも少し前まで夜も寝苦しいくらいでしたが、昨日今日(8月14日)は日中はそれなりに気温が上がるものの、夜風は少し涼しくなってきました。大通りのビアガーデンも今日が最終日。今夜ちょっと行ってきます。 

全国的にはまだまだ暑く、TVコマーシャルでは水分補給に「ポ〇リ飲まなきゃっ!」と1年中やっています。 
ポカリス〇ェット、アクエ〇アスなど、いろんな種類のスポーツドリンクがありますが、本当に体にとっていいものなのでしょうか? 

いろんな意見があるのですが、とりあえず食品添加物などは除外して考えます。たいてい、スポーツドリンクは冷やして飲みますが、おいしく感じるようにするためか、砂糖分が多量に入っているものがあります(市販の経口補水液はスポーツドリンクほどおいしくありません)。なかには500mlのペットボトル33グラム(スティックシュガー10本強)のものもあり、本当に糖分を必要とはしていないたいがいの場合は一時的な高血糖状態となり、それを下げるように血糖値の乱高下が起こると言われています(グルコーススパイク)。体にはそれなりに負担となります。 

汗を多量にかいたときは水分とともに、塩分などミネラル補給は必要ですが、スポーツドリンクでなければならないわけではありません。 

歯科の視点から見ると、スポーツドリンクは「糖分と酸性度」が気になります。糖分はもちろん虫歯を作る大きな原因です。

そして、スポーツドリンクに限らない話なのですが、飲み物には酸性のものが多くあります。PHが5の半ば以下(中性はPH7)になると、歯のエナメル質を溶かすようになります。これが進むと酸蝕歯という状態になってしまいます。

唾液で洗い流し中和する力(緩衝力)が十分にあれば、この状態は回避できるのですが、スポーツドリンクを凍らせたり、水筒に入れて少しずつ飲んだりしていると、唾液の力が及ばず酸蝕歯や虫歯となる可能性があります。飲んでいけないわけではないけれど、他の飲料ともども飲みすぎや摂り方に注意したほうがいいと思います。(塩を一つまみ入れた)麦茶やマヌカハニーなど使った手作り経口補水液もミネラル分と水分補給にはいいですよ。

水分補給で歯が痛くなる!?

こんにちは、院長の中北です。

8月も中旬となり、台風の影響が心配されましたが甲子園の試合も再開され、こちらは熱戦が繰り広げられているようですね。

梅雨が明け、暑くなると飲む機会が増えるのが「スポーツドリンク」。たくさん汗をかいた時に失われがちな成分が補われるものとして、お子様の夏の水筒の中身は常にコレ!というご家庭も多いのではないでしょうか。

しかし、水分補給には良いスポーツドリンクですが、実は歯にとって良いものとは言えないんです。

皆さんは「酸蝕歯」という言葉をご存知でしょうか。

酸性度が高いものが頻繁に歯に触れることによって歯の外側を守っているエナメル質が溶かされ、そのまま再石灰化されずに溶かされ続けてその下の象牙質がむき出しになり、痛みを感じるようになってしまうものです。これは細菌が原因であるむし歯とは異なるものです。

実はスポーツドリンクは酸性度が高く、酸蝕歯のリスクが高い飲み物。

最近は水筒やペットボトルで持ち歩く人が多く、酸性になった口内を唾液の力で中性に戻そうとしているところにまた飲む…とうことが繰り返されるため、酸蝕歯になる方が増えています。

蝕歯を防ぐには、「口内を酸性にしたままにしない」ことが大切。スポーツドリンクはだらだら飲み続けない。また、飲んだら水やお茶を飲み、口内をすすぐことが大切です。

また、唾液は酸を洗い流して中和する力があり、また歯の再石灰化を促してくれる、歯の健康にとっては欠かせない存在です。ガムを噛むと普段の4倍ほど唾液が出るといわれますので、活用してみてください。(もちろん歯に良いものを選んでくださいね!)

これからの季節特に美味しいビールや酎ハイ、コーラやワインなども気を付けたい飲み物です。これからの季節、どうしても飲みたくなるこれらの飲み物。歯の健康に気をつけながらおいしく飲んでくださいね。間違っても酔ってそのまま眠り込んでしまうことのないようにしてください!!

最近参加した講習会について~201908~

<4月7日 MFA講習会アドバンスコース第3回 >
再受講です。一度目では聞き漏らしていたことがあることがわかり、ブラッシュアップできました。 

<5月5日 MFA講習会アドバンスコース第4回 >
GWの真っ最中です。飛行機も宿も高くかつ取りにくく、なぜこの日なんだと少しぼやきつつ。 

<5月12日 体験実習で学ぶ口腔機能低下症の診断と対応(東 松尾浩一郎先生(藤田医科大医学部歯科・口腔外科講座) >
開業して18年目。当院の患者さんの平均年齢も上がりつつあります。以前はきれいに自己管理出来ていた方も、高齢になるとともに唾液の減少や、頬、舌の筋力低下、歯磨きがうまく出来ないことなどから虫歯や歯周病が増加する傾向にあります。そして身体の機能低下(フレイル)と口腔機能の低下(オーラルフレイル)は関連があります。多疾患、多障害の時代における歯科治療とは、全身を含む感染予防として、口腔ケア、歯周治療、外科処置があり、栄養改善のための歯科治療として入れ歯などの修復治療と栄養指導、摂食嚥下に対する治療があります。 

<6月2日 ミラクル義歯FR会員講習会(大阪) >
ミラクル義歯を導入して9年ほど経ちました。維持装置など少しずつ変化があるので、毎年講習会には出席してブラッシュアップしております。 

<6月9日 モリタデンタルセミナー 「コンポジットレジン修復の発想転換」(札幌)田代浩史先生 >
一昔前に比べると、歯に詰める白い材料(コンポジットレジン修復)も、接着剤を含めてずいぶん信頼性が上がり、術式も整備されてきました。より自然らしく見えること、という患者さんの希望もあります。今後ハンズオンセミナーでの実習参加も予定しています。 

<6月22日 「歯科外来診療環境体制に係る研修」「在宅療養支援歯科診療所に係る研修」「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所(か強診)に係る研修」「院内感染防止対策に係る研修」 北海道保険医会(札幌) >
施設基準に関わる講習です。 

<7月7日 開業医のための予防歯科セミナー 第35期 (東京) 芳賀浩昭先生 >
当院でも予防歯科のシステムを確立しようと、以前からいろいろ取り組んでおります。このセミナーは東京のいしかわ歯科医院の取り組みが主体となっており、数年前から参加を検討していたのですが、他の講習会と被ったりしてようやく今回受講しました。内容的にはすでに当院でも行っていることが多かったのですが、方向性に間違いがないことが確認できました。 

<7月14日 MFAアドバンスコース 最終回(大阪) >
本来は6月に東京受講予定でしたが、ミラクル義歯の講習会と被ったため、大阪コースに変えてもらいました。 

<7月21日 CHILDENT(チャイルデント養成講座)第1回 (東京)   MFA顎顔面機能咬合研究会 >
子どもの成長発達に伴う不正咬合状態が、以前よりも多く見られるようになってきました。

例えば永久歯に生え変わるときに、上下の前歯で下の歯のほうが、上の前歯よりも前方に生える反対咬合になると、この状態が自然に改善することはありません。かと言って、すべての永久歯が生えそろうまで待ってから矯正治療することには異論も多いです(ただしこの逆の意見もあります)。

この講習会は矯正治療がメインではなく、なぜそうなるのか、どう対応するのがベターなのかを考察します。 
さらに理論的に理解しながら、現場ではどのように取り組むべきか、多くの装置や手法は、どのタイミングで使い、どのように調整していくもので、についてどのタイミングで次の手に移行するべきかなど、実際の症例を基に示していくとなっています。

ちなみにこの第1回では実際に数種類の哺乳瓶から水を吸い飲む、という実習がありました。母乳哺育に固執するわけではなく、ただ顎などの成長発育においてあまりに吸いやすい哺乳瓶では舌や、唇、頬などの筋肉に適切な負荷がかからず、このことも不正咬合の一因となりうるという考え方が示されました。実際、ヌークという哺乳瓶ではかなり舌の力を使わないと吸えませんでした。時間もかかります。実際のところ、現状では決められた時間内に飲ませることができる(大人の都合)ような哺乳瓶が売れ筋なんだそうです。

また、徳川家の将軍の骨格を調べた書籍から、食事が柔らかいものに偏っていくと、顎の骨,噛み合わせにも大きな影響を与えることが推測されることなどの紹介があり、乳幼児のころから正しい食生活を送ることが不正咬合の予防につながる可能性について再認識できました。

<7月28日 5DJapan講習会 福西先生による現代エンドの最新トピックス 福西一浩先生 (札幌) >
歯の治療において、根管治療は歯周病治療とともに非常に重要で、文字通り土台(基礎工事)となります。その成功率をいかにして上げるか、他の疾患と絡みあう場合の考え方、などについて症例供覧と共に説明してもらい、参考になりました。

 

8月の医院からのお知らせ

8月の診療スケジュール

8月11日(日)~15日(木)まで、お盆休みとさせていただきます。

9月の診療スケジュール

特に変更はございません。診療スケジュール表どおりの、診療となります。

 

以上、どうぞよろしくお願いいたします。

7月・8月について診療情報

7月の診療スケジュール

7月は暦通りの診療です。

8月の診療スケジュール

8月11日~15日まで、お盆休みとさせていただきます。

最近参加した講習会について

3月3日MFA講習会 第2回(東京)

成長期に好ましい生活習慣を送ることによって、心身ともに健やかに育ちます。とくに食習慣は大事で、前歯で歯ごたえのあるものをよく噛むことで上顎の成長が促され、きれいな歯並びが出来ていくと考えられています。講習会では理想的な顔の骨格の1例として広瀬すずさんを挙げていました。あのような鼻筋になるには前歯で噛む刺激で鼻の付け根付近に力が加わって成長促進すると推測していました。食事の他にも幼児期の成長で必要な考え方を保育業界の立場から講演があり、参考になりました。

歯原性菌血症について

口の中は体の中で一番多種多様な細菌が多く存在するところです。その中には体にとって無害なものもいれば、害をなすものもいます。ざっくり言うと、虫歯や歯周病に関係する菌は悪玉菌であり、ばい菌全体における悪玉菌の割合が大きいと病変(虫歯、歯周病)が起こります。じつは問題はそれだけ(口の中の病変)ではないのです。

お口の中に悪玉菌が多いと、歯周ポケット(歯ぐきの内側)内の歯肉はただれていき、出血しやすくなります。また歯周病菌は鉄分、血清タンパクなどの血液成分を餌にしてさらに増殖し、毒素を出します。歯原性菌血症とは、ただれた歯ぐきの毛細血管から細菌や毒素が血液中に侵入して、全身をめぐる現象です。歯周病は歯を支える歯ぐきが悪くなる病気で、どんどん進行すると骨が溶け、グラグラして歯を失うわけですが、歯原性菌血症として捉えるとグラグラまで進行しなくても、全身に悪影響を与える可能性があるのです。

上下すべての歯がそろっている人が、もしすべての歯茎に炎症があってただれて出血する場合、そのただれた潰瘍部の面積は全部で片手の手のひら位の大きさがある計算になります。体の他の部にそのような潰瘍があるとえらいことです。大きな床ずれのような状態でしょうか。口の中ではそこに直接ばい菌がべったり!!付いているわけです。もし床ずれの部分にばい菌がべっとりついていたら、どうなることでしょう。さらに感染は進んでいきます。口の粘膜は他の部分より強く、ある意味鈍感なので痛みが出ることは少ないのですが(熱いもの食べて火傷して皮めくれてもすぐ治りますよね)、こうして考えると怖いことですね。痛みがなくても菌は血中に入ると心臓を経由していろいろなところに運ばれて行きます。

ばい菌を飲み込んだ場合は、胃酸である程度殺菌され、腸や肝臓でさらに殺菌、解毒されるのですが、口の血管から入るとそのシステムから外れるので問題なのです。いまではいろいろな病気と関わり合いがあると考えられています。(心血管疾患、脳血管疾患、糖尿病、慢性腎疾患、アルツハイマー病、掌底膿疱症、バージャー病、誤嚥性肺炎、未熟児,早産、骨粗しょう症、慢性関節リウマチ等々)

歯を磨くと血が出る、口臭がする、などの症状のある方は、歯原性菌血症が起きている可能性が少なからずあるのです。基本的な歯周病の検査で炎症の有無は判明します。より詳細に検査するには口の細菌のDNA検査をすると確実です。

4月の医院からのお知らせ

ゴールデンウィークの診療情報

4月28日(日)~5月6日(月)まで、ゴールデンウィークの休診とさせていただきます。

宜しくお願い致します。

治りにくい口内炎

タレントの堀ちえみさんが舌がんの手術を受け、幸い一応成功したとのことです。
ただ、マスコミの情報では、本人が以前から異常を感じ、複数の医療機関でたびたび症状について説明していたにもかかわらず、がんと診断がついたときにはリンパ節にも影響が及ぶステージⅣだったそうです・・。はっきりしたことがわからないのでとやかく言えませんが、もう少し早く対応ができたようにも思えます。
 
基本的に、アフタ性口内炎などは長くても2週間くらいで治ります。同じ部位で数週間以上治癒しない場合やしこりのように感じる場合は注意する必要があります。 
なかきた歯科クリニックを始めて18年目になりますが、口腔がんであろうと明らかに思われる所見を見つけ、病院の口腔外科に治療依頼をしたのは数人です。
ただし白板症などの前癌病変の可能性のあるものはずっと多く、治りにくい口内炎などと共に連携する口腔外科に紹介しています。

軽度で経過観察とする場合は口腔内写真を撮り定期検診の時に保存している写真と比較して状況を確認しています。

歯周病や入れ歯などで定期検診に来られた患者さんは、歯と歯ぐきだけではなく、舌の状態などもチェックするようにしていますが、今回のことを他山の石としないよう、改めて気を引き締めようと思います。

最近行った講習会について

1月27日 須貝先生「子どもたちを健全歯列に導くための講習会 最終回」(東京) 
今までの復習と、受講者による症例検討会で、自分の症例も意見をもらいました。
 
2月3日 MFA(顎顔面機能咬合研究会)アドバンスセミナー第一回(東京) 
ベーシックに引き続いて、アドバンスセミナーも再受講しています。