新型コロナは気温、湿度が高い夏になっても人が動くと一向に下火にならず、このまま秋冬になるとどうなるのか心配ではあります。
わずかな救いは今の東京、埼玉型といわれるウィルスの毒性が欧州型と比べてやや弱そうなことでしょうか。
集団免疫を付ける方法を取らないならば、かからないように注意するしかありません。
鶴見大学の花田教授らは重症化の原因の一つとして口腔内細菌(悪玉菌)の相乗効果について述べています。
完全な裏付けに乏しい面もあるのですが、真実ならば歯科での定期検診でクリーニングして細菌の量を減らすことは不要不急の処置とは言えないということになります。
誤嚥性肺炎予防だけではなく、インフルエンザ、新型コロナウィルスでも同じことが言えるのです。(かかりにくく、かかっても重症化を防ぐ可能性がある)
花田教授は虫歯、歯周病の治療での方法として3DS療法の提唱者でもあります。
基本的にはマウスピースに薬剤を塗布して口腔内悪玉菌の除菌を図る治療法です。
ただ、3DSのやり方についてはいくつかの変法があります。
いずれにしても歯周病の状態の把握が必要で、それには歯周病菌のPCR法による細菌検査が必要です(コロナのPCR検査とは全く別物です)。
悪玉菌がそれほどいないようであれば花田先生の元々のやり方でよいのですが、いわゆる悪玉のPG菌などが検出された場合は3DSでも迅速に根絶して効果を出すことは困難です。(基本的に花田先生は3DSを治療後もずっと家庭で続けることを前提とされています。その場合は除菌が成立する可能性はあります。)
悪玉菌がある程度いる場合は花田先生の同門の武内先生の3DS療法のほうが、より効果的と考えています。
抗菌薬の内服と、マウスピースに使用する薬剤も異なります。
現在当院でお薦めしているのは歯周内科的療法で、これは途中まで武内先生と変わりません。
歯周病菌をPCR検査で同定して、効果的な抗菌薬をしばらく服用していただき、それとともに口腔内の徹底的な清浄化をいろいろなツールを用いて行います(抗菌薬の内服はピロリ菌の除菌と同じ論理ですが、口腔内の特殊性から内服だけで除菌は成立しにくいため)。
これらをだいたい数回の来院で行いますが、自費診療となりなかでもPCR検査は術前と術後の確認に必須です。
通常は歯周内科的治療である程度の効果は見込めるので、一応当院では現在は3DS療法というより歯周内科的治療で行っております。
ただし、喫煙者であるとか、その他様々な条件が絡んでくると、必ず除菌が成立するわけでは残念ながらありません。
また、歯周病はある意味で「水虫」と似たようなものと考えていただくとイメージしやすいかもしれません。
ケースによっては再感染しやすいのです。
例えばご家族からですとか。
いずれにしても清潔さが健康の維持には必要です。みんなで乗り切りましょう。